@shishidon _wine

ししどんの
グラニットベルト発酵紀行

Chapter 13
Pyramids Road Wines

元祖麹料理研究家・小紺有花さんが主宰する「醸し塾」にて研鑽を積む伝道師。
2026年2月、小紺さんがGRANIZOと共に企画・運営する、オーストラリア・グラニットベルトの「ワインツーリズム」へ同行。
そのツアー初日から、感動で涙が止まらなかったししどん。
その瑞々しい感性で綴られた記録が「グラニットベルト発酵紀行」です。

※「醸し塾 伝道師」とは、元祖麹料理研究家・小紺有花氏が主宰する「醸し塾」の「伝道師養成講座」を修了した、発酵食(特に糀)の本質と魅力を正しく家庭や社会に伝える専門人財です。
単なる料理教室の講師ではなく、食卓力(食事を通して心身を整える力)を高め、人生の幸福度を上げることを目的としています。

「応用科学の博士」という背景を持つ、醸造家のウォーレン氏。

その深く静かな知性は、ピラミッズ・ロード・ワインズの中では、どこまでも優しい眼差しとなって、一房の葡萄、一滴のワインに注がれていました。

彼が守るヴィンヤードは、まるで丁寧に手入れされた庭園のように美しく、それ自体が一つの芸術品のよう。

「全ての葡萄に目が行き届くように」と、生産量を絞り、我が子を慈しむように一房ずつ健康状態を見守る。

その一途な歩みが、この景色を作っているのだと感じます。

培ってきた知識の全ては、葡萄それぞれの個性を最大限に輝かせるために。

どの酵母がこの子に1番合うのか。
気の遠くなるような対話を繰り返し、納得のいく一滴へと辿り着く。

その純粋な探究心が、グラスの中で魔法をかけるのかもしれません。

コンクールには出さず、ここを愛するファンの為だけに届けられる、希少なワインたち。

バーカウンターでみんなとグラスを傾けながら、ふと思いました。

彼が心血を注いだその一滴は、こうして誰かの笑顔に変わる瞬間に、本当の意味で完成するのかもしれない、と。

セラーを出る時に、優しく見送ってくれたステンドグラスの光が、いつまでも心の中に温かく残っていました。

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