新年あけましておめでとうございます。
旧年中は当ブログをご覧いただき、誠にありがとうございました。

新しい一年の始まりに、改めて「ワインはどこから生まれてくるのか」という原点に立ち返り、Granite Beltの大地と花崗岩土壌についてご紹介したいと思います。

オーストラリア・クイーンズランド州の内陸部に位置する 私たちのワイン産地Granite Belt(グラニット・ベルト)。

このワイン産地を語るうえで欠かせないのが、名前の通り「花崗岩(かこうがん)」です。

見た目はごつごつとした岩肌。しかし、この太古の岩石こそが、Granite Beltならではのエレガントで芯のあるワインを生み出しています。

今回は、花崗岩がどのように土壌となり、ブドウの根を支え、味わいへとつながっていくのかを、できるだけ分かりやすくご紹介します。

葡萄畑にそびえ立つ花崗岩

Granite Belt一帯は、約3億年前から2億年前、地下深くでゆっくりと冷え固まったマグマによって形成された花崗岩を基盤としています。

地中深くで時間をかけて結晶化したため、花崗岩は粒の大きな結晶構造を持ち、長い年月の隆起と侵食を経て、現在は標高700〜1,000mの高原地帯となりました。

この「高く、古い大地」という条件が、冷涼な気候と相まって、ワインづくりに理想的な環境をつくり出しています。

花崗岩は、主に以下の鉱物からできています。

石英(クオーツ)

非常に安定した鉱物で、土壌の中では水はけと空気の通り道を確保する役割を担います。

カリ長石

風化によってカリウムをゆっくりと放出し、ブドウの果実成熟や糖の蓄積を支えます。

斜長石(キラキラした箇所)

カルシウムやナトリウムの供給源となり、樹の健全な生育を助けます。

黒雲母

マグネシウムや鉄など、微量ながら重要なミネラルを含みます。

これらが長い時間をかけて崩れ、溶け、土へと姿を変えていきます。

花崗岩は、雨や温度変化によって少しずつ分解され、砂質〜砂質ローム主体の土壌になります。

シラーズの畑を形成する花崗岩

この土壌は、

水はけが非常に良い

栄養分は多くない

やや酸性

という特徴を持ちます。

一見すると、ブドウ栽培には「厳しい」環境。しかし、実はこれが重要なポイントです。

水分も養分も豊富ではないため、ブドウの樹は自然と根を深く、広く伸ばすようになります。

過剰に甘やかされることなく、自ら必要なものを探しにいく――そんな環境で育つブドウは、実が引き締まり、風味に集中感が生まれます。

結果として、果実味だけが前に出るのではなく、酸・構造・余韻が美しく整ったブドウに育つのです。

深く根を伸ばす葡萄の木

花崗岩由来の適度な水分ストレスと、冷涼な高地気候。

この組み合わせにより、Granite Beltのブドウはゆっくりと成熟し、

高い自然な酸

クリアで輪郭のはっきりした果実味

バランスの取れた構造

を備えるようになります。

ミネラルが過剰に主張することはなく、あくまで果実の表情を引き立てる――

それが、Granite Beltワインの静かな魅力です。

Granite Beltの花崗岩土壌は、ブドウにとって制約でもあり、同時に大きな恩恵でもあります。

この「制限された環境」こそが、他にはないワインスタイルを生み出す源なのです。

一杯のワインの奥に、何億年もの地球の時間が静かに流れている。

そう思いながら味わうと、Granite Beltのワインは、より深く、より印象的に感じられるかもしれません。

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