Balancing Heart Vineyard

醸造家:Mike Hayes

人生の全てを葡萄作りとワイン作りに捧げてきた人間。


アイリッシュ系のマイクの祖父がグラニットベルトに移住し葡萄作りで生計をたてるところからヘイズ家の物語ははじまる。
そのヘイズ家の3代目にあたる1964年、マイクは9人兄弟の末っ子としてグラニットベルトに生まれる。

生まれた時から葡萄に囲まれて育ち、彼の周りには常に葡萄があった。

15歳になったマイク少年は、家計を助けるため地域のワイナリーで仕事をはじめる事になる。
その時に樽から薫るワインの香りがこれまでマイクが経験した事の無い空間へと導いた。
その時の衝撃をマイクは今でも鮮明に覚えているという。

その後、ワイン作りに魅了された男は国内外の名門と呼ばれるワイナリーで修行を行う。
目指すところは、自分の生まれ育ったQLD州グラニットベルトで最高のワインを作る事。

多くの経験を携えながらも、ワインに対する終わりなき探求心から収集されたワイン関連の本の数は3,000冊を超える。

「好きこそ物の上手なれ」
マイクはメキメキとワイン作りの頭角を表しはじめ、多くのワイナリーで醸造責任者として指揮を執る様になる。

そしてASVO (Australian Society of Viticulture and Oenology)が主催する全豪2500社を超えるワイン醸造家の中から毎年1人選ばれるBest Wine Maker Of The Yearにマイクは2017に選ばれる事となる。

マイクのワイン作りのフィロソフィーは、全て畑にあるという。
「ワインは人が作るものではなく、母なる大地が授けてくれるものであり、自分はそれに対して少しのサポートをするだけ」
そしてその授かった産物の味わいを最大限尊重する様、葡萄栽培は全て自然農法で行われ、殺虫剤などの化学物質は一切使用しない。

そうやって大切に育んできた葡萄の味わいを楽しんでもらいたい。
そのため、木樽などは一切使用しないか、もしくは使用したとしても微かに香る程度である。

賞も名誉も何もいらない。

自分が作りたいワインを作って、それを美味しいと言って飲んでくれる人を見ている事が何よりもの幸せ。

今自分に出来る事は、自身が培ってきた経験を基に生まれ育ったグラニットベルトでの後継者の育成に勤しむため、大学の栽培学でも教鞭をふるう。

全ては自分の生まれ育ったグラニットベルトという地域が世界に代表する葡萄品種を生産し、産地がブランド化し世界に発信出来る事を目指して。

マイクのキャリアの集大成となるワイナリーBalancing Heart
マイクの愛情がたくさん詰められているワイン
ワイナリーにはピザ釜もある