この度、グラニットベルトという産地に生まれ育ったダニエルという若者にフォーカスし、彼が作ったワインをクラウドファンディングという形態を通じて知ってもらうという試みをさせていただきました。
ものづくりには、作り手の心が宿ります。
この企画を通じてダニエルの生い立ちちからワイン作りの師匠との出会い、コロナによる解雇と重なった干ばつによる被害。これらの逆境の中でダニエルがどの様にしてモチベーションを保ち続け今に至り、提供されたワインが生み出されたかのストーリーをしっかりと伝え切る事が出来る素晴らしい機会をいただきました。
私が長年流通というフィールドに身を置いて感じた事は、ものづくりを行うグラニットベルトのワイン生産者達の多くが自分のフィールドを自分で線引きしてしまい、その枠組みの中だけで自分の仕事を追求し続けるといった風潮がある事でした。
いくらこだわって生み出したものでも、伝える力が無いままそれが消費されるのでは、思いが届かないままその良さは埋もれてしまいます。
グラニットベルトという今後世界から注目されるワイン産地の未来のリーダーとなるダニエルには、ものづくりを追求する技術とそれを伝えるプレゼンテーション能力、そしてその先にある楽しみを感じて欲しいと思っていました。
この企画が自分を中心に動いていく事に対し、最初こそ戸惑っていたもののZOOMなどのLiveを通じて海を超えた日本の消費者に向けて自分の口で思いを伝えた充実感。
そして、今回の企画を通じて自分自身がプロダクトの一部であるという事を認識し、プロモーションに携わったという達成感。
イベントを終え、消費者と繋がるという事を実感し新たな経験を通じて得られた満足感からダニエルが私に言った言葉が、「有難う」でした。
生産者にとって自分の作った商品を消費してくれるお客様と触れ合い、直接感想を聞く事が出来る環境があるという事は、非常に大きなモチベーションになります。
そしてそれが有ると無いとでは今後出来上がる物の質が大きく変わってくると思います。
今回の企画を通じ、生産者にスポットライトを当て将来性のあるワイン醸造家と消費者とを繋ぐパイプ作りが出来た事に対し、私自身の最大の成果と受け止め、とても満足しています。
今回「若き醸造家」の序章にお付き合いいただきご支援下さいました方々に心よりお礼申し上げます。
そして将来的にグラニットベルトという産地のリーダーとなる人間を、これからも応援し続けていただけたら嬉しく思います。
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